相続の配偶者控除とは、日本の相続税制における特例の一つで、亡くなった人（被相続人）の配偶者が相続する場合に適用される税額の控除です。これにより、配偶者が受け取る相続財産に対する税負担が軽減されます。

具体的には、相続税の計算時に、基礎控除額（2023年時点では基本的に3,000万円＋600万円×法定相続人の数）を超えた部分に対して税率が適用されますが、配偶者控除が存在する場合、その額（2023年時点では1億6千万円）がさらに控除されます。

これにより、相続税が大幅に軽減されることがあります。

配偶者控除を使えるケース

配偶者であること

被相続人の婚姻中の配偶者である必要があります。ただし、事実婚ではこの控除は適用されません。

同一の生計を営んでいること

被相続人が死亡した時点で、被相続人と配偶者が同一の生計を営んでいることが求められます。

つまり、通常は同じ世帯で生活を共有している状態を指します。

自宅等の特例

亡くなった配偶者から自宅等を相続した場合、特例としてこの不動産についての控除が適用されます。

しかし、これにはいくつかの条件が付きます。

まず、自宅等が「相続開始の日から6か月以内に譲渡された場合」や、「相続開始の日から1年以内に登記されていない場合」等は控除の対象にならないというものです。また、不動産が相続人以外の名義に変わった場合でも控除は受けられません。

なお、控除額は1億6千万円（2023年時点）で、これは配偶者が相続する全ての財産（現金、不動産、株式など）に適用されます。

相続税法は非常に複雑で、変動する可能性もありますので、具体的な案件については、税理士や弁護士などの専門家に相談することを強くおすすめします。

配偶者控除の注意点

事実婚では適用できない

配偶者控除は、法的な結婚をしている場合のみ適用されます。

事実婚（つまり、法的には未婚でも実際には夫婦同然に生活している状態）では、配偶者控除は適用されません。

配偶者が同一の生計を営んでいなければならない

被相続人が亡くなったときに配偶者と同一の生計を営んでいなければ、配偶者控除は適用されません。

特例の条件を満たさなければならない

亡くなった人の配偶者が自宅などの不動産を相続した場合、特例としてこの不動産についての控除が適用されますが、それには特定の条件を満たさなければなりません。

たとえば、自宅等が「相続開始の日から6か月以内に譲渡された場合」や、「相続開始の日から1年以内に登記されていない場合」等は控除の対象にならないというものです。

配偶者控除は配偶者にのみ適用される

配偶者控除は、配偶者が相続人である場合にのみ適用されます。配偶者以外の相続人、例えば子どもや孫、兄弟などには配偶者控除は適用されません。

これらを考慮に入れ、税理士や弁護士などの専門家と相談しながら適切な相続計画を立てることが重要です。

また、法律は時とともに変わる可能性がありますので、最新の情報を確認することも重要です。